休日のよく晴れた日、母親が、丸まった「ござ」を持って2階への階段を上がる。これが「海賊船」出航準備の合図だ。
僕たち4兄弟は、目を合わせ、一斉に2階への階段を駆け上がる。弟2人は母親を勢いよく追い越していく。「こども部屋」に到着すると、母親がベランダに「ござ」を敷き、「2つ並んだ2段ベット」から、次々に布団をベランダに運んで干す。すると、ベランダに、布団のバリケードができ「秘密基地」のようになっていく。僕たちは、それを手伝っているような感覚で、おもちゃやゲームを準備した。「海賊船」ができあがっていく。
母親が最後の布団を干し終わり、枕を「ござ」の上に並べ、下の階へと戻ると最後の仕上げだ。「帆をはれ！」こっそりひとつだけ、ベランダから布団を回収して、「2つ並んだ2段ベッド」の間に、布団をひっぱりながら、船の帆を張るように取り付ける。これで「海賊船」の完成だ。
家中の窓が空いている(母親が掃除をしている)せいか、風が心地よく抜けていく。「出航ーーー！」家全体を船に見立てた「海賊船」は4兄弟を乗せて大海原へ繰り出した。
余談ですが、この時住んでいた町は、海と川に囲まれた水平線の見える町で、家の横には川、ベランダの正面に町のプールがあったので、より大海原感があったのだと思います。今は東京ですが、布団を干していると、大海原へ繰り出したくなります。「出航ーーー！」
読んでくれてありがとうございました。
菊 和徳
今回のMOTHER2ネタ
・クラーケンと船
・主人公たちとスターマン
・積み木でできたストーンヘンジ
・しろごま
・くろごま
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